カルトワインズ社 会社概要
カルトワインズはオルタナティブ投資の資産クラスとしてワインに着目し、2007年、トム・ギアリングと フィル・ギアリングにより英国で創業されました。ロンドン、ニューヨーク、トロント、シンガポール、 香港、上海にオフィスを構えます。 本ページは英企業カルトワインズ(https://www.cultwines.com)の日本語公式サイトです。
カルトワインインデックス当該期間損益CAGR
2023年第2 四半期-2.20%-
1年+1.89%-
3年+34.69%+10.44%
5年+35.12%+6.21%
伝統的資産クラスとの比較2023年第2 四半期損益
S&P 500+8.74%
米国債券 iShares7-10y Treasury bond index-2.54%
NASDAQ+13.05%
Gold (USD/oz)-2.46%

2023年4月末 速報 – ワイン価格、第2四半期スタートで下げ渋る

カルト・ワインズ・インデックス – 2023年4月30日時点のリターン

2023年4月30日時点の価格データ。Cult Wines Indicesは、Wine-Searcherの価格データに基づき、世界の高級ワイン市場を客観的に測定したもので、厳格な流動性基準に基づき、毎年リバランスを行っています。価格は英ポンドで計算されており、他の通貨では結果が異なる場合があります。過去の実績は、将来の結果を保証するものではありません。

4月の高級ワイン市場は、Cult Wines Global Indexで測定したところ、0.37%の下落を記録しました。

第2四半期初頭の低迷は、ブルゴーニュとシャンパーニュにて現在進行中の価格整理が原因だと思われます。ここ数年、トップパフォーマーであるこの2つの産地での持続的な上昇により、2023年のバイヤーの価格感度が高まり、この一時的な低迷を招くことになったと思われます。

来るべきボルドー2022年EPキャンペーンに対する期待の高まりも、この4月の低迷に少なからず影響した可能性があります。 高品質なヴィンテージとボルドーの相対的価値の向上により、近年に勝る同キャンペーンのへの高い需要が見込まれています。しかし、ニューリリース(5月第2週から登場予定)目前に一部のバイヤーが傍観し、この嵐の前の静けさを演出したのではと考えられます。

マクロ市場の概要 – 経済成長の見通しが改善

2023年04月30日現在のインデックス・リターン前年同期比12カ月3年5年5年ボラティリティ
カルトワイン グローバル インデックス-0.37%-0.84%7.49%39.07%47.63%1.06%
S&P 500 (TR)1.56%9.17%2.66%50.19%71.93%5.38%
FTSE 100 (TR)3.41%7.09%8.17%48.45%26.87%3.97%
Nasdaq Comp (TR)0.07%17.12%0.02%40.79%80.98%6.33%
iShares MSCI オール・カントリー・アジア ex ジャパン ETF-1.71%2.96%-5.94%4.25%-12.51%5.73%
ゴールド1.11%9.06%4.92%15.26%53.30%4.07%
ビットコイン2.73%76.88%-22.31%239.00%216.41%21.96%
ブルームバーグ コモディティ-1.13%-7.53%-19.44%71.29%16.43%4.62%
出典: Investing.com、Wine-Searcherは2023年4月30日時点のもの。過去の実績は将来のリターンを示唆するものではありません。
*ボラティリティは、月次リターンの5年標準偏差です。

米国、ユーロ圏、英国の経済成長データが良好であったため、世界的な景気後退懸念が緩和されたのを引き金に、株式市場は上昇し、3月下旬に始まった反騰を継続しました。

また、エネルギー価格の下落により、多くの主要国でインフレが緩和されました。

しかし株式市場は、米国連邦準備制度理事会(FRB)が5月に利上げを実施し、その後一時停止し、後半に利下げを行う可能性があると予想しています。欧州と英国の中央銀行は、コアインフレ率が低迷していることから、さらに利上げを実施する可能性が高いとの予測があります。

中国の第1四半期のGDP成長率は、前年同期比4.5%増とポジティブなサプライズとなり、COVID規制の終了が経済データに反映されつつあることを示すものとなりました。しかし、地政学的な緊張により、アジアの株価指数はアンダーパフォームという結果になりました。

マクロ経済の背景が改善したことにより、米ドルは世界の通貨バスケットに対して弱くなりました。安全資産であるグリーンバックは、通常はストレスの多い時期に強まる傾向がありますが、世界的な経済成長が高まると逆に弱まることも予想されます。英ポンドに関しては、米ドルと比較してイングランド銀行の利上げ回数が多いとの予想から、4月には対米ドルで強みを見せました。

インフレ率と金利

米・英国国債利回り月末利回り前月比
米国10年債3.43%-4dp
英国10年債3.72%23dp
利回りと価格は反対方向に動きます。
1ベーシスポイント(bp)=100分の1パーセント
インフレーション前年比
米国CPIインフレーション(3月)5.0%
英国CPIHインフレーション(3月)8.9%
ユーロ圏HICPインフレーション(3月)6.9%

地域別 ワインのパフォーマンス詳細

・Cult Wines Burgundy Indexは、4月に0.78%下落しました。しかしこの不安定なスタートは、過去12ヶ月間に見られた11.83%という、長期間にわたるパフォーマンスの視点からすると、わずかな落ち込みに過ぎず、常にトップのパフォーマンスを維持している産地であると言えるでしょう。

・Cult Wines Champagne IndexもBurgandy と同様、4月の下落率は0.69%で前年同月比では地域別指数の最下位となったものの、12ヶ月間の成績は+9.00%と健全なフォーマンスを維持しています。

・テタンジェ・コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2006は4月に12.3%下落したのに対し、同ワインのロゼ2006は11.5%上昇し、最高の価値を求める需要の前後があった事を示しています。また、シャンパン生産者の最大手であるエグリー・ウーリエの2005年ブリュット・ミレジム・グラン・クリュは、4月に36.0%の急上昇を記録しました。

・Cult Wines USA Indexは、逆に4月に好調な成績を収めています。需要源が異なる米国市場は、旧世界の主要産地と比較して、このように特異な動きをすることがよくあります。Wine-Searcherの価格では、ヴェリテ・ル・デジールの2009年ヴィンテージが前月比38.6%増となりました。

・Cult Wines Bordeaux Indexは、0.18%の小幅な下落にとどまり、安定した評価を維持しました。先に説明したように、この市場の低迷は、2022年アンプリムールリース前に、バイヤーが一時買いを止めた事が原因であると思われます。2つの大きな下落は、シャトー・ルーセック・ソーテルヌの (2015年、 201年)からでした。ポジティブな面では、シャトー・フィジャックの2008年ヴィンテージが19.0%上昇し、シャトー・マルゴーのセカンドワインである、パヴィヨン・ルージュ 2007も同様、18.3%上昇した事です。どちらもアンプリムール期間中は常に注目のワインと言えるでしょう。

2023 ワインパフォーマンス表 – ヴィンテージを超えたYTDリターン%

ワイン名地域前年同期比の
パフォーマンス
前月ランク
1. Artadi, Pagos Viejos, RiojaRioja29.8%1
2. Guidalberto, Tenuta San Guido, ToscanaTuscany28.6%2
3. Billecart-Salmon, VintageChampagne22.6%4
4. Laurent Perrier, Brut MillesimeChampagne21.2%3
5. Remirez de Ganuza, Reserva Tinto, RiojaRioja20.5%7
6. Donnhoff, Niederhauser Hermannshohle Riesling Spatlese, NaheNahe19.8%
7. Cedric Bouchard, Roses de Jeanne Les Ursules Blanc de NoirsChampagne19.1%
8. Hyde de Villaine, Carneros Chardonnay, Los CarnerosCalifornia18.5%
9. Joseph Drouhin, Charmes-Chambertin Grand CruBurgundy15.7%
10. Domaine de Marcoux, Chateauneuf-du-PapeRhone15.6%10
2023年4月30日時点のWine-Searcherによる価格データです。Cult Wines Indicesに含まれるワインの全ヴィンテージの平均に基づくもので、厳格で客観的な流動性基準に基づいて定期的にリバランスされます。価格は英ポンドで計算されており、他の通貨では結果が異なる場合があります。過去の実績は、将来の結果を保証するものではありません。

・アルタディ・パゴス・ヴィエホは、4月に前年同月比が若干下がったものの、今年に入ってからもトップの成績を維持しています。アルタディの所有する、トップ3の畑のブドウから造られるパゴス・ヴィエホは、長い期間をかけて熟成させる事ができるワインで、その素晴らしい価値を今後も持続するでしょう。

・レミレス・デ・ガヌサ・レセルバも素晴らしい品質のリオハで、7位から5位へと急上昇しました。

・グイダルベルトは2位をキープ。テヌータ・サン・グイドのトスカーナ産メルロー主体のこのワインは、サッシカイアのセカンドラベルというだけでなく、それ自体が熟成に耐える本格的なワインとして、より高い評価を得ています。

・ビルカール・サルモン、 ヴィンテージとローラン・ペリエ、 ブリュットミレジメは、3位と4位を争う結果となりました。どちらも4月の低迷期に前年同月比を若干下げただけに止まりました、セドリック・ブシャール, ローズ・ド・ジャンヌ・レ・ウルシュル ブラン・ド・ノアールという新しいシャンパーニュがランクインし、グラン・マルクと並ぶシャンパーニュ生産者としての可能生が感じられます。

・その他、ドイツのトップリースリングであるデンホフ,ニーダーホイザーヘルマンシューレリースリングや、ハイド・ド・ヴィレーヌのシャルドネが新たにトップ10入りしています。ブルゴーニュのド・ヴィレーヌ家とカリフォルニアのハイド家のジョイントベンチャーであるハイド・ド・ヴィレーヌは、2000年からナパ・ヴァレーの南に位置するロス・カーネロスAVAでさまざまな赤と白を造っています。最近のヴィンテージのシャルドネは90点台半ばを記録するなど、批評家の評価も着実に向上しています。

・2023年初頭のブルゴーニュ地方は全体的にそれほど良い成績ではありませんでしたが、ジョセフ・ドルーハン、シャルム・シャンベルタン・グラン・クリュは素晴らしい成績を収め、この地域のトップワインの継続的な魅力を強調しています。

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