カルトワインズ社 会社概要
カルトワインズはオルタナティブ投資の資産クラスとしてワインに着目し、2007年、トム・ギアリングと フィル・ギアリングにより英国で創業されました。ロンドン、ニューヨーク、トロント、シンガポール、 香港、上海にオフィスを構えます。 本ページは英企業カルトワインズ(https://www.cultwines.com)の日本語公式サイトです。
カルトワインインデックス当該期間損益CAGR
2023年第2 四半期-2.20%-
1年+1.89%-
3年+34.69%+10.44%
5年+35.12%+6.21%
伝統的資産クラスとの比較2023年第2 四半期損益
S&P 500+8.74%
米国債券 iShares7-10y Treasury bond index-2.54%
NASDAQ+13.05%
Gold (USD/oz)-2.46%

2023年6月号フラッシュレポート:不安定な状況が続くワイン市場

カルト・ワイン・インデックス – 2023年6月30日現在のリターン

カルト・ワインズ・グローバル・インデックスによると、6月の高級ワイン市場は0.83%下落を記録しました。これは2020年半ばから2022年末まで続いた上昇後に起こった調整の一環であるといえるでしょう。

ここで特筆すべきは、最も下落したカテゴリーがボルドーであることです。これは、2022年アン・プリムール(EP)で、高品質の2022年ワインがリリースされ、それにより地域的での取引が活発化し、いくつかのバック・ヴィンテージの再値下げにつながったことなどが一因と考えられます。加えて米ドルに対する英ポンド高も、指数にマイナスの影響を与えたと要因の一つでしょう。(Cult Wines Indicesはポンドで計算)。

マクロ市場サマリー – 不安定の中米国株は上昇

雇用市場の勢いとインフレ率の低下を背景に、6月の米国株は安定していました。今年後半の景気後退を予想する向きもあるものの、米国内でのインフレ懸念の緩和は、連邦準備制度理事会(FRB)が、経済成長を支えるための、積極的な取り組みを活発化させる事が予想されます。

アジアの株価指数も全体的に好調でした。中国の中央銀行は、主要貸出金利を緩和し景気回復を支え、日本株は外国人投資家の強い関心から上昇を記録し続けました。

一方、英国ではインフレ率の高さに対して、イングランド銀行は6月に予想を上回る0.5%の利上げを実施するなど、より積極的な利上げを実施しました。その結果、英国株はアンダーパフォームとなり、金利は数年来の高水準に上昇しました。この金利上昇は、ユーロや米ドルに対する英ポンド高につながっている事がわかります。

地域ワインのパフォーマンス詳細

• カルト・ワインズ・ボルドー指数は、6月に最大の下落を記録しました。高級ワイン投資市場において最も確立されたこの産地は、例年比較的安定しており、年初の低迷期にはブルゴーニュやシャンパーニュよりも安定していました。しかし、年に一度のEPキャンペーンでは、コレクターや投資家が新たなEP購入のために在庫を移動させるため、しばしばこの地域の市場の動きを揺るがすことがあります。シャトー・ブラ―ヌ・カントナックの2022年の新リリースは、このドメーヌの過去最高のワインと評しても過言ではない一方、より古いビンテージであり、低いスコアの2012年(-9.4%)は、値下がりを記録したワインのひとつとなりました。

• もうひとつの安定した産地として知られるローヌでは、市場がボルドーに集中していることもあってか、6月には苦戦を強いられました。シャトーヌフ・デュ・パプでは、ドメーヌ・デュ・ペゴー、シャトーヌフ・デュ・パプキュヴェ・レゼルべ・ルージュ2009など、古いヴィンテージのワインが値下がりを記録しました。

• カルト・ワインズ・ブルゴーニュとシャンパーニュの両インデックスは、2021年から2022年にかけて目覚しい上昇を見せた後、価格調整が続きました。両地域ともに需要は引き続きあるものの、消費者の選別感はますます研ぎ澄まされ、厳しくなっています。例えば、ペリエ・ジュエのベル・エポック2002シャンパーニュが最も大きく下落したのに対し、同じワインの2004ビンテージは8.50%も価格が跳ね上がりました。

• カルト・ワインズUSA指数は、しばしば他の市場とは異なる、特異な動きをする地域ですが、6月には0.11%の上昇でアウトパフォームを記録しました。この動きに貢献した2つのプレミアムワイン、シュレーダー RBSベックストファー・トー・カロン・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン、オークヴィル2018は20.1%上昇し、ポールホブス・ベックストファー・ドクター・クレイン・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン、セントヘレナ2015は12.2%上昇を記録しました。

2023 ワイン・パフォーマンス・リーグ・テーブル – ヴィンテージ別YTD収益率

• グイダルベルトは、数ヶ月間連続で2位につけていましたが、ついにトップの座をつかみました。テヌータ・サン・グイドの造るこのトスカーナ産メルローベースのワインは、サッシカイアのセカンドラベルとしてではなく、それ自体が熟成に耐える本格的なワインとして評価を高めています。

• ドメーヌ・フランソワ・コタのレ・モン・ダネは、ロワール・ヴァレーの複雑でストラクチャーのしっかりしたソーヴィニヨン・ブランで、6月に7位から2位に急浮上しました。

• 前回首位守っていたアルタディ・パゴス・ヴィエホスは、価格は上昇したものの、そのペースが遅かったため、3位にとどまりました。

• ドイツとフランスの国境を挟んだ、反対側に位置するこの2つのリースリングが4位と5位につけました。

• 3つのシャンパーニュが7-9位を占めた事も特筆すべきです。ルクレール・ブリアン・アビス・ブリュット・ゼロは、ブルターニュ沖の海中で12ヶ月以上瓶内熟成させるというユニークなゼロ・ドザージュ・ワインで、6月に初めてトップ10入りを果たしました。

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